レコーディングだぜ ! その3

16時 組踊 レコーディング

仲嶺良盛さんの登場です。 沖縄の伝統芸能である組踊の若手継承者です。

昨年このイベントを企画したときに核となる曲をどうするか?誰が歌うのか?誰が作るのか?どんな曲にするのか?私はとにかく沖縄にこだわる事に決めてました。

沖縄には内地にない伝統芸能があります。これをなんとか曲の中のアレンジとして組み込めないか?とおぼろげに考えていました。仲嶺さんとは共通の知人からの出会いでした。

イベントの趣旨を伝え参加に快くご賛同頂きました。そして、同時に、組踊とはなんぞや。をレクチャーをしてくださいました。

「組踊」とは

  • 歌三線(琉球古典音楽)
  • 唱え(琉球古語を中心とした詞章)
  • 踊り(琉球舞踊)

が調和した総合芸術です。内地では能や狂言などに近いものでしょうか。

唄は琉歌が用いられます。琉歌とは8・8・8・6の言葉の配列で構成された「詩」です。川柳の5・7・5みたいなものですね。

川柳だと
「夏休み(5)ボーっとしてたら(7)もう終わり(5)」
みたいなかんじですね。
沖縄の民謡として良く知られている「てぃんさぐぬ花」が琉歌の構成をとっており、8・8・8・6の構成になっているそうです。

てぃんさぐぬ花や(8)
爪先(ちみさち)に染みてぃ(8)
親(うぬ)ぬ寄(ゆ)し事(ぐどぅ)や(8)
肝(ちむ)に染みり(6)


意味は『ホウセンカの花は爪先に染めて親の言うことは心に染めなさい』です。


今回仲嶺さんには7月25日のソングミーティングにご参加いただき子供たちの言葉から8・8・8・6の琉歌を作っていただきました。

天やうち晴れて
(てぃんや うちはりてぃ) 

うれしや肝心
(うりしゃ ちむぐくる) 

ひやみかちウチナー

わしたウチナー

空は晴れて
チムグクルも嬉しい
頑張ろう沖縄 
我らの沖縄

親ふぁーふじ拝で
(うやふぁふじ うがでぃ)

エイサスリサーサー 

ひやみかちウチナー

わしたウチナー

ご先祖さまを拝んで
エイサースリサーサー
頑張ろう沖縄
我らの沖縄

ちょっと泣けてしまいます。子供たちの想いを詰め込んだ沖縄愛が詰まった歌詞です。

後半の歌詞は曲の後半の一番盛り上がるところで登場します。 これがまた、、、カッコいい

まさに「ちむどんどん」ですね!(ちむどんどんとは琉球語で「胸がワクワクする」という意味の言葉です。沖縄ソングダンス大発表会のキーワード「ドキドキ・ワクワク」に通じる言葉ですね)

曲の公開楽しみにしていてくださいね!

三線 唄 の録音もあっという間に終了。と、その時レコーディングエンジニアの東江さんからの提案「沖縄太鼓入れるといいかも」

え?すごい!けどできるの?太鼓は?だれが叩くの?

なんと仲嶺さんができるるそうです!太鼓は?スタジオにある!ということで沖縄太鼓も急遽アレンジして録音。

沖縄の地に「音」と「音によるコミュニケーション」が根付いているんだなぁと感じた瞬間でした。

18時 高校生男子キーボードレコーディング

録音も想像以上に順調に進みまして、、いよいよ子供たちが登場での録音時間がやってきました。

まずは最初に現れるは、高校生男子のキーボード。もちろん録音は人生初。緊張しています。見てるこっちもなんだかドキドキです。

友達も一緒にスタジオにやってきました。知らない大人たちがたくさんいる中で演奏をする。しかも単なる大人じゃなくてプロのミュージシャンと一緒に演奏する。

自分の演奏が今後多くの人に聞いてもらえる。間違えたらどうしよう。

まぁ私が高校生だったらビビりまくっていたと思います。レコーディングは間違えても大丈夫。何度でもやり直しがきく。がんばれ高校生。

鍵盤を弾くのに適したいい指してるじゃないですか

しばらくして、、、ちょっと時間は掛かりましたが、、、最後までやり切りました。よくがんばった。OKテイクの瞬間は知らない大人たちが拍手して称えてくれましたね。よくがんばった。

18時半 小学生アコースティックギターレコーディング

次はアコースティックギターの小学6年生の女の子。そうです。数日前に私と一緒にスタジオで練習した女の子です。

この日かなり早い時間にスタジオに到着していましたが待っている間ずっと車の中で練習していました。

録音の準備ができ呼びに行くと…若干震えているような感じでした。大丈夫だって、一緒に練習したじゃん

私と一緒にスタジオの中に入ります。大丈夫、大丈夫。私は念仏のように囁きます。なんか自分の方が緊張しているかも。

ドラムの録音では全く緊張しないのに

チューニングも済み、ヘッドフォンをして、最初の音を出します。人生初の録音です。エンジニアから「弾いてみて」の一言。

”ジャーン”あら?全然大丈夫じゃん。

震えも止まっている。

あれ?もう目がちゃんとミュージシャンの目をしてますよね?


「さぁ本番行ってみよう」の声で録音開始です。
おーー。おーーー。おーーーー。
大丈夫。大丈夫じゃん。
なんと本番一発でOKテイク
すごい!ほんとすごい!!

演奏していた時間なんて5分ちょっと。でもこの短い時間のために何十時間も必死で練習したんだろう。スタジオの外のブースで聞いていたお父さんは「泣きそう」とおっしゃっていました。

帰る間際、私と一緒に写真を撮りました。彼女の満面のピースを初めてみました。

緊張と不安と期待

子供たちのレコーディングの1回目(明日もありますから)。ここまでに書いたとおり、人生初のレコーディングに挑戦した彼ら彼女らの目には、緊張・不安・そしてほんのちょっとの期待が写っていました。

それでもみんなが一生懸命練習してきたのは

  • 初めての経験だからちょっとやってみよう
  • せっかく楽器をやってきたのだから、しっかりやってみよう
  • なんかよくわからないけど、参加できるならやってみよう

こんな気持ちからだと思うんです。何も大げさな思いがなくてもできちゃうことってたくさんありますよね。

この「ほんのちょっとの期待」がドキドキ・ワクワクを生む。そう思っています。

さていよいよ次回沖縄の偉大なアーティストD-51さんの登場です。